2/2(木) 相場概況&「リバウンドを狙うなら…」

こんにちは。
昨日は諸事情により日記に穴を空けてしまったので、
今日は少し戦略的なことについて書いてみます。
まずは概況から。
今日は東証のシステムトラブルで241銘柄が
前場の間取引停止になるという珍事が発生しました。
そのせいか、全体的にやたら荒れた銘柄が多く、
いつもと違った動き方をする銘柄が目立った印象です。
また、後場になって取引停止になっていた銘柄に
資金が入ったためなのか、SNS関連株やエルピーダなど、
アグレッシブな短期派が多く集まる銘柄が一時下落しました。
(SNS関連株の下落はカカクコムが決算で暴落したため、
 それによるショックの可能性もあります)
100%とまではいかなくても、こういう資金の流れ方を
6~7割ぐらい当たりをつけられるようになれば、
かなり効率良く取れるようになるんだろうなあと感じました。
相場全体の概況は日経平均・TOPIXともプラスであり、
全体としてはまずまず強い相場でした。
ただ、シャープがトンデモ悪決算によりストップ安。
他にも決算で大きく下げた銘柄がちらほらと目立ちました。
明日はこういった銘柄があまり出なければ良いのですが…
さて、ここからが今日の戦略的な話の本題です。
決算で大きく下げた銘柄などは、
リバウンドを取る絶好のチャンスでもあるのですが、
リバウンドを取れる銘柄と、取りようのない銘柄があります。
これは簡単に定義付けできるものではないですし、
判断が非常に難しいですが、単純な例を出して
ちょっとした判断の仕方を考えてみたいと思います。
↓本日のシャープの5分足チャート
しゃーぷ.png
↓本日のSUMCOの5分足チャート
さむこ.png
この2つはいずれも前日終値より大きく下げて寄りつき、
そしてその後も売りこまれ結局S安になってしまいました。
それぞれ前日比15%前後下げました。
チャートを見ていただければわかりますが、
この2つの銘柄はほとんどリバウンドをしないまま落ちていきました。
これでは買いで入っても取れるタイミングが
かなり限られており、リバウンドを取るのは至難です。
ハイリスクローリターンの典型でしょう。
↓本日のカカクコムの5分足チャート
かかくこむ.png
一方、こちらは昼休みに決算が出て、その影響で後場寄り直後に
大きく下がってしまった例です。
最終的な下落率はこちらも前日比-15%前後で、
上の2つと比べて大差ないですが、明らかに違う点は
こちらは最初の下げの後、最大で下げた分の半分程度
リバウンドしており、「リバウンドで取れる時間帯」が
確かに存在していたことです。
では、上の2つとカカクコムで
一体何が違っていたのでしょうか?
色々相違点はあるかと思いますが、
「下落の速度」が違っていたことが非常に大きいと思います。
上の2つはいずれも30分ほどかけて10%弱下落していますが、
カカクコムはわずか5分足らずでおよそ12%程度下落しています。
この速度の違いのため、上の2つはどちらかというと
「さほどパニック状態にならないまま売りに押されて
 そのまま値幅制限まで届いてしまった下げ」
といった印象なのに対して、
カカクコムは
「大パニックでホルダーや新規で買った人の投げが殺到した下げ」
の意味合いが強いのではないかと思いました。
リバウンドを取る際に最も重要なのは、
「売りたくてたまらない人が売りつくしたタイミングで買うこと!」
これに尽きます。
売りたい人が売りつくせば(少なくとも一時的には)
売りが枯れることになるので、買いたい人が少し現れれば
それだけで株価は好転します。
では、売りたい人が売りつくすのはジリ下げの時でしょうか?
それともパニック状態の時でしょうか?
答えは明白ですね。後者です。
うまくイメージできない場合は、自分がその株を「すでに持っている」
気持ちになってイメージしてみると良いかもしれません。
今回のシャープやSUMCOの下げだと、下げの速度がいまひとつ緩いため
『もうちょっと待って判断してもいいかも…リバウンドするかも…』
と、多少なりとも希望にすがってしまいます。
こうなると、諦めた人が順次売っていくのを誰かが拾い、
その誰かも順次少しずつ諦めて売っていく…
という悪循環が続いてしまいます。
この悪循環が続いたままストップ安に到達してしまった、
いわば悲惨な例ということになるでしょう。
一方、カカクコムのような下げ方だと物凄い恐怖感があります。
実際にこういう下げを被弾した事のある人ならわかりますが、
『このまま一瞬でストップ安に張り付いてしまうのか?』
『とんでもない事が起きてこの株の価値は無くなってしまうんじゃ…』
『1秒長く持っていたらそれだけ下がる!やばい!やばい!』 div>
と、恐怖感により一種のパニック状態になってしまいます。
この場合「順次諦めた人が売っていく」などという生易しいものでなく、
持ってる人も新しく買った人も皆が殺到して売りを出す状態になります。
一見とんでもない状態に見えますが、これは売りたい人が一瞬で
売り切ってしまうので、こういう状態はリバウンドを狙うぶんには
チャンスと言えます。
先述した通り「売りが出尽くしたタイミングで買うこと」
リバウンド取りの最善手なのですから。
なお、ここに挙げたのは一例であり、
実際の相場には様々なケースがあります。
「5分で12%下げたら買いだ!」って単純に解釈しても
それで100%勝てるかというと答えはNOです。
急落時は、下落率や材料の程度だけで判断するのではなく、
「どのぐらい画面の向こうの取引相手がパニックになっているか」
を値動きから推し量ること。これが本当に重要です。
ちなみに、自分がカラ売りで攻める場合を考えると、
この発想をそのまま逆にあてはめれば良いということになります。
すなわち、買いポジを持っている者が歯をくいしばって
投げるに投げれず持ち続けていそうな時は
売りが優勢なのでガンガン攻めて、
彼らがパニック的な投げをしだしたら反転が近いので
撤退の準備をするべきです。


こんな風に考えてみると、急落時のトレードというのは
普段にも増して心理戦の要素が強いのかもしれませんね。


1/17(火) 相場雑感など

今日は建設・道路関連株の値上がりが凄かったですね。

値上がり率ランキングを見ても、上位は建設・道路関連ばかり。
見事なぐらいにズラーッっと並びました。
こういった株に上手く乗れる方は良いですが、
乗れない方にとっては歯がゆい相場かもしれません。
かくいう私も乗れてない側の人間です。
とは言っても、乗れないなら乗れないなりにやりようはあります。
一部の業種の株に極端に資金が集中する際、
必然的にそれ以外の所からは資金が逃げていくことが多いです。
つまり今日の場合だとたとえ建設株に乗れなくても、
資金が逃げ出しそうな銘柄を早めにカラ売りで叩いておけば
それなりのリターンが期待できるということになります。
経験から判断しますと、資金が逃げ出しやすい銘柄は「資金が集中している業種と遠い業種」であり、「投機的な売買が集まっていそうな銘柄」が最有力候補になります。
難しいのはその中で実際にどの銘柄を選ぶかですが、
今日はその銘柄選びに使っているやり方の1つを紹介します。
例えば、以下のチャートを見てください。
Dena1.png
このチャートはDena(2432)の日足で、右端の大陰線が今日(1/17)です。
左に表示されている価格帯別出来高は昨日までの分です。
(必ずしも正確ではないので、目安程度に見てください)
昨日の段階で、「1/4から暫く大きく下がった後、1900~1950程度の
狭いレンジで3日間膠着状態であった」ことが日足チャートから
読み取れると思います。
ここで、この価格帯別出来高に注目です。
1900円前後で大量の売買が発生しているのが曲者です。
ざっくり結論を言うと、この「大量に売買された地点」を突き破って
株価が下落すると、それは大きな下落になりやすいです。
つまりこの場合だと、1900円を割れた1870~80円あたりで
カラ売りを仕掛けるのが面白い、ということになります。
仮に大きな下落にならず株価が再び上がり出しても、
大抵の場合1900円近辺で戻り売りに押されますので
そこで一旦損切りをするなどして対処すれば、
大きな損になることが少ないです。
この傾向はカラ売りの際だけでなく、買いの場合にも使えます。
例えば、1900円台で「安くなった。買おう!」と
買いでこの株を仕込んだとします。
この場合でも、損切りラインを「逆指値」で1900円の少し下
(1870~80円あたり)に置いておくことによって、
大きな下落に巻き込まれるのを回避することが出来ます。
下落後にまた買って仕込みなおせば、差額分有利になります。
いわば守備的な戦略です。

もちろんその逆指値に引っかからず、無事に株価が上がれば
めでたしめでたし、です。

こちらの使い方のほうが多くの人にとって実用的かもしれませんね。
もちろん、これはあくまでも「傾向」に過ぎず、
100%この通りの値動きになるわけではありません。
ですが、頭の隅に置いておいて損は無いと思います。
以下もう1例、似た例を出しておきます。
日東電工.png
銘柄名は内緒です。
こちらは価格帯別出来高は2営業日前(~1/13)までのものです。
Denaと比較的似たチャートで、2800円近辺がキーになっています。
(他の価格帯と比べて出来高が突出しています)
こちらは面白いことに、年末に一旦2800円付近を割り込んだのですが
新年のご祝儀相場で1度復活したものの、結局1/16になって
大きく下げてしまったパターンです。