ツイッターに書いたところなかなかの反響があったので、
こちらで詳しく書きます。
本日のグリーのPTS。
引け値750円に対して、22:16現在でなんと876円と、
引け値から+16.8%も上がって推移しています。
しかも、PTS開始後2時間程はストップ高(900円)に
張り付いていました。とんでもない暴騰です。
上がっている理由は「LINEとゲームコンテンツ開発会社を設立」とのこと。
確かに今勢いに乗りに乗っているLINEと組んで会社設立となれば
なかなかのインパクトかもしれません。
…にしても、PTSでストップ高をつけるほどのことか…?
と思って貸借を見てみたら、ここで納得しました。
なんと日証金ベースで500万株以上の売り長。
(信用売りされている株が、信用買いされてる株よりも500万株も多い)
グリーの最近の出来高は1日200万株ぐらいなので、
これはかなり売りが溜まっている状態です。
グリーは2012年6月期の連結決算では約480億円もの純利益を
叩き出しておりますが、そこからは業績は下落に転じ、
2014年6月の連結決算では同約180億円。
およそ3分の1にまで落ち込んでしまいました。
ソーシャルゲームでなかなか当たりを出せず苦戦しています。
この銘柄は個人に人気があっただけに、皆が苦戦の事実を知っています。
そのため、言い方が少し悪いですが
「オワコン株の空売りで儲けてやろう」と考えた
個人投資家たちの格好の空売り対象となってしまっているのでしょう。
(オワコン=一時は栄えていたが現在では見捨てられてしまったことを指すネットスラング)
つまり、このPTSでの高値は、今回の好材料に伴う
『空売った人たちの買戻し圧力を見越してのもの』である可能性が高く、
空売りが溜まっていたためにより強く買われているものと考えられます。
ここで結論を言うと
皆がオワコンって考えているものを売ってもあまり美味しくない事が多いです。
「まだいけるだろう」って考えている人が多数を占める段階から、
「あれやっぱオワコンなのかな…」と皆が認識するようになるまで。
この間が、スイングや中期の空売りで最も美味しい期間。
それを過ぎたら賞味期限切れ、です。
厳密に言うと、オワコン株であればあるほど、
そしてそれに空売りがたまっていればいるほど、
ちょっとでも良い材料が出たら一気に上がってしまいます。
優等生が良いことをしてもあまり褒められないのに、
不良がちょっと良いことをするとめっちゃ褒められたり
イメージがものすごく良くなったりするのと同じです。
その上げの勢いは強烈なので、半端な覚悟で売っていては、
材料一発であっさり振り落とされてしまうことが多いのです。
私個人としては「強いものを買い、弱いものを売る」トレードは
大好物なので、本業で苦戦し株価も下落傾向にある株の空売りは
しばしば行ってきました。
ですが、皆が売っている弱いものを一緒に売るトレードでは、
この要因があるため漫然とやっていては中々効率良く勝てません。
どうせ売るなら、デイトレ中心で素早く稼いで脱兎の如く逃げるか。
あるいは、何事にも動じない覚悟で性根据えて売り続けるか。
あえてオワコン株の空売りで稼ぐなら、このいずれかに徹する必要があるでしょう。
「なんとなく、みんなが売ってるから売りスイング~」
という感覚でトレードすると、割と痛い目に遭ってしまいます!